アンボセリにて − マサイ村見学 −



朝のサファリを欠席したK子さんに熱があるということを聞き、皆心配ごとは風土病であるマラリアや黄熱病などのひどい病気でないことを願うばかりです。ガ イドのジョセフは、部屋に食事を運んでやるとともに、K子さんに病状を確認したようです。K子さんと一緒に来たS子さんに聞くと、「蚊にさされたか?」、 「一回刺された」「一回ぐらいなら問題ない」というやりとりがあったと教えてくれました。1回なら大丈夫という根拠がよく分からないのですが、現地の人が 大丈夫と言うなら大丈夫だろうと、無理に納得するように勤めました。食事の後、診療所に見てもらいに行くそうです。

私たちは、オプショナルツアーマサイ村に行くことになっています。それまでは自由行動です。アンボセリ国立公園はキリマンジャロに近く、天気が良ければ、 ロッジの正面に見えるはずなのです。しかし、雨こそ降らないものの雲が立ちこめており、残念ながら拝むことは出来ませんでした。赤道直下にある山の山頂に 雪を見ることを出来るのを楽しみにしていたので、残念です。明日の朝にはアンボセリを離れるので、見られるか心配になってきます。

マサイ族の村落への見学はカルチャーショックそのものでした。行く前に仕入れていた知識では、マサイ族は、今も牛の糞で作られた家に住み、近代的な生活と のは一線を画して生活している誇り高い民族であること、そして、写真を撮られるのをいやがり、断りもなくカメラを向けるとヤリが飛んで来る可能性があるこ となどです。
マサイ村へ行くときもK子さんは、欠席でした。朝のサファリとは違い、このマサイ村への見学は好き嫌いという次元を越えて、貴重な経験でした。

マサイ村へはロッジから車で30分と離れていないところにあります。ダチョウとのおっかけっこくもあり行きは楽しいドライブでした。(写真)。見学はジョセフとマサイ族の出迎えが軽い挨拶を交 わした程度で許されました。村の青年団といった感じの3人が出迎えてくれ、案内係を勤めてくれます。いくつかのアトラクションを見せてくれました。木の棒 をねじるように使っての火おこし、歌とダンスなどを披露してくれます。

それが終わると、牛の糞で作られた家の中を案内もしてくれます(写 真)。マサイ族の家は非常に狭くて、腰をかがめないと頭をぶつけてしまいそうなほどです。また、寝床だというところには、動物の皮をなめしたよう な敷物がひかれていましたが、体を横たえるのには十分な長さがないばかりか、斜め傾いていて、これで十分な睡眠がとれるのか不思議になりました。また、そ のときには家の中で火を焚いて、お粥のようなものを作っていまいた。それをマグカップに注ぎ、少し飲んでみろと言われました。、とても衛生状態が良いとは 思えなません。お断りしたかったのですが、お相手はマサイ族ですから、仕方なく一口だけなめるようにして口に含みました。ほとんど味はなく、見た目同様お 粥の感触と似ていました。トウモロコシの粉をお湯で溶いたものだったようです。

家の中の案内が終わり家の外に出てみると、私たちの中心として弧を描く10メートルほどのテーブルの列が出来ていました。お買い物時間です、両端から見て あげて下さいと案内されて、マサイの装飾品が並ぶテーブルに二手に分かれて向かいました。待ってましたとばかりに、必死の売り込みが始まります。選ぶ余裕 などなく、2、3人に囲まれて、放っておくと手首や首にビーズでできた装飾品がかけられて行きます。ほとんど、押し売りです。私を囲んでいるのは一応、片 言の英語ができ、売り主との間で値段の確認をしながら話を進めているようです。値段以外は、ほとんど聞き取れないません。

テーブルの向こうからも、売る主たちの叫び声に近い売る込みがあります。テーブルの端から中央に向かって歩こうとすると、テーブルの端に連れ戻そうされま す。なかばパニック様態で買い物どころではありません。早くここから立ち去りたいという思いだけが強くなって行きます。そんな、時間がしばらく続き、そろ そろ時間ですという、ジョセフの声が救いとなりました。結局、私は何も買うこと無し立ち去ろうとしているときに、一番私が興味を惹かれたものの売り主が追 いすがってきました。10ドルだというところを、もう買うつもりはなく2ドルならと言うと、意外にもOKの返事でした。マサイ族と取引成立です。ロッジへ の帰りはみんなぐったりとしていました。マサイ村は強靱な気力が必要な所です。

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