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2006年11月15日

ボクシング世界戦に望むこと

はじめてボクシングの観戦に行った。以前、PRIDEやK-1の観戦はしたことはある。しかし、ボクシングははじめて。

対戦カードは、長谷川穂積とイーグル京和の二人の日本のジムに所属する世界チャンピョンのダブル世界タイトルマッチ。場所は東京武道館。私の席は2階席、それでも1万円の席である。武道館の印象は結構リングまでの距離が近いということ。

前座の2試合目の途中に入場した。イーグル京和のタイトル戦が始まるまでに2試合。7時半ぐらいから、注目のタイトル戦が始まる。そのタイトル戦に先立って、国歌斉唱がある。その間、観客も起立をする。プライドをかけた戦いというのが伝わる儀式である。タイトル戦とはいってもK-1のようなショーアップされた雰囲気はない。

ひたすらと、ストイックである。新しい制度が今回のタイトルマッチから導入された。4ラウンドと8ラウンドが終わった段階で、審判のポイントが明かされるというものだ。

私はこの制度に対して、当初否定的な考えを持っていた。しかし、ポイントで負けている側は、必死に挽回し、ポイントの差が大きい場合にはノックアウトを狙うしかない。そうすると、試合は面白くなる。実際に試合を見た結果、この制度もなかなか捨てたものではないと思った。

イーグル京和の試合は、互いにクリンチをする場面も少なく、互いにダウンを取り合うラウンドもあり、とってもスリリングなものであった。結果は、総合力に勝るイーグルの僅差の勝利。最後の回まで軽量級ということを感じさせない、KOを意識させるすばらしい試合だった。これは新制度の影響が少なからずあったように思う。

また、長谷川の試合は、いまひとつかみ合わない。1ラウンドを見を終えた感じでは、長谷川のが一方的に主導権をにぎり、結果として早い回で終わることを予想したが、私のその予想は外れて12ラウンドを終えての判定となった。この試合、バッティングがあって長谷川は左右両方カットするという事態に見舞われ、流血が激しい試合となった。そのため、会場からの挑戦者のバッティングを非難するヤジも多く、少し騒然とした雰囲気であった。初めてボクシングの会場に足を運んだ私はその雰囲気の悪さに少し閉口した。

最近は、格闘技イベントも多く、そのショーアップされた雰囲気が多いので、ボクシングの会場の雰囲気はそれとは大きく異なると感じた。

ボクシングは、数ヶ月以上の期間をかけて試合へのぞみ、互いに相手の瞬時のすきを見つけて、互いの拳だけで倒し合うというものである。そのため、非常にストイックな競技であり、ショー的な要素は少ないと思う。

しかし、私は全てのラウンドが終わる度に、自然と拍手をしていた。そのことに、自分で少しびっくりとした。きっと、応援する長谷川穂積やイーグル京和だけではなく、その二人と互角に戦っている厳しい練習を積んできたと思われる挑戦者にも敬意を送っていたのだと思う。

はじめて実際に会場に足を運び、多くの人にその凄さをなまで感じて欲しいと思った。しかし、なんともいえない、やくざな雰囲気を是正しない限りボクシング会場に足を運ぶということはメジャーにはなれないという気がしたのも正直なところである。

要するに、日本で行われるボクシングの世界タイトルマッチも、バンコクで行われ、賭博の対象となっているタイのムエタイの騒然とした雰囲気とあまり変わらないというのが私の初めてのボクシング観戦の感想である。

多くの観客が気持ちが良く見ることが出来るように、会場の雰囲気が良くなることを期待する。

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投稿者 lifedoor : 2006年11月15日 01:01


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